結果とプロセス
またまたご無沙汰してしまいました。
もうすぐ今年も半分終わり。早いものです。
世の中はすっかり2010年南アW杯一色、という感じですね。
岡田JAPANがあれだけ低かった下馬評を見事にひっくりかえし、日本中に熱い感動と元気・勇気をくれました。
昨日のパラグアイ戦、惜しくもPKで敗退することになりましたが、最後に肩を組んでパラグアイ5人目のキッカー(カルドソ)vsGK川島の戦いを、膝をついて肩を組んで見守る代表選手たち(イレブンだけではない)の後ろ姿に涙した人は、きっと数多かったことでしょう。
キャプテン長谷部をはじめとして、強い団結感が感じられたのも、今回の代表の特長でしたね。
単純に比較はできませんが、Jリーグが発足した1993年、日本中の期待を背負い、あと一歩でW杯初出場までこぎ着けながら、ロスタイムのまさかの同点ゴールでドーハに散った、あのときの代表(カズ、ラモス、中山など)を彷彿とさせました。
ベスト16まで進んだこと(+それに恥じない試合を見せてもらえたこと)も嬉しいことでしたが、古き良き日本の伝統がよみがえったような、何かそんなすがすがしい気分でした。
アマスポーツの世界では、結果よりもプロセスが大事と言われますが、プロスポーツの世界では一転、結果を出してナンボ、結果を出さなくてはプロとして失格、という言われ方をすることが多いように思います。
確かにそれは一面において正しいことです。
プロとして勝ち続けるためには、やはり勝ちに対して貪欲でなくてはなりません。
誰よりも勝ちにこだわり、誰よりも負けず嫌いなヤツこそが、自分を高めて栄冠を勝ち取れるのです。
勝ちにこだわらないヤツは、プロとは言えないと思います。
しかし、じゃあプロスポーツにおいて、2位以下になってしまったらまるっきりダメなのでしょうか?
決してそんなことはありませんよね。
勝者がいれば、必ず敗者は存在します。誰だって100%負けない人はいません。
敗者にも敗者の人生やドラマがあり、その姿に感動し涙する人たちは大勢いますし、元気や勇気をもらう人たちも大勢いるのです。
つまり、アマスポーツはもちろんのこと、プロスポーツの世界であっても、結果よりプロセスが大事、ということが往々にしてあるのです。
さて、ところで我々弁護士の業界はどうでしょうか。
果たして弁護士に対してお金を払って事件の依頼をして、最終的に負けた後、「結果は負けたけど、プロセスで頑張って、あれだけ相手を追いつめたからOK」なんて言って下さる依頼者さんはいるでしょうか。
…もちろん皆無ということはないでしょうが、たぶんかなり少ないでしょうね。
そう、弁護士の業務では、プロセスよりも結果の方が圧倒的に重要なのです。
どんなにプロセスで苦労をしても、最後が良ければ全て良し、と笑って終われます。
プロセスでいかに優勢そうに見えても、結果的に負けたら、笑って終わるなんて不可能ですよね。
そこが我々の業界の非常に難しいところです。
というわけで、私は、スポーツをやっているときは割と鷹揚なのですが、
仕事をやっているときはめちゃめちゃ勝ちにこだわります。
弁護士とはそうあらねばならないと思っているからです。
ある意味、本田圭佑選手以上にゴールに対して貪欲だと思います。
ただ、法律業務というものはよくできたもので、適切な手続とプロセスをたどれば、おのずと結果はついてくるものだったりします。
そういう意味では、法律業務とスポーツはよく似ているともいえそうですね。
スポーツも、きちんと基礎を繰り返して習得していけば、おのずと結果はついてきますものね。
ではまた。