ビミョーな法廷
今日午前中、横浜家裁で離婚訴訟の第一回期日がありました。
当方は原告の訴訟代理人。
提訴後、被告にも代理人が就いたものの、第一回期日には出頭できないとのこと。
そうなると、今日の法廷は、当方だけが出頭して、裁判官も次回期日を決めるくらいでさして何もしないし進行もない、というのが通例なのです。
が、今日法廷に行ってみたら。
法廷の外でそわそわしながら、ドアのガラス越しに法廷内をのぞき見している女性の方(挙動からして明らかに弁護士ではない)がいました。
私はまっすぐ法廷に入ったのですが、たまたまこの時間帯の事件はうちの事件だけだったようで、傍聴席にいるのは私(とイソ弁君)のみでした。
するとその女性は、法廷に入ってくるやいなや、私に向かって「傍聴してもよろしいですか??」
家事事件といえど公開法廷なので、「はい、大丈夫ですよ」と答えたのですが、そこではたと気付きました。
「この女性、たぶん何かの事件の当事者にこれからなるか、あるいはもうなってしまっている人だ。」
「そうなると、今日のうちの法廷を見ても何のメリットもないだろうなぁ。形だけで終わっちゃうだろうからなぁ」
「何か悪いなぁ。こんなに意気込んで傍聴にいらしているのに…」
などと考えているうちに、書記官が入ってきて、裁判官(男性。ベテランぽい)が入ってきました。
この裁判官、たぶん4月の異動で横浜家裁に来たと思われるところ、席に座るやいなや書記官に「次回はいつ?」とか事務的なことを尋ねました。
そして、ごにょごにょと「原告は訴状を陳述されますね」と言ってくれたのは良いんですが、それだけ。
本当にそれだけで、次回期日を決めてしまい、そしてさっさと法廷を立っていってしまいました。
ものの1分もかからなかったんじゃないかな。
え?被告答弁書の擬制陳述もしないの??
我々の他にも傍聴人がいるのに、そんなやる気ない感じで良いの??
傍聴人、相当気合い入れてきている様子なのに、かわいそうじゃないか??
などと思ったので、法廷が終了した後、傍聴席の女性に
思わず「こんな訴訟でスミマセン」などと謝ってしまいました。
私が謝るのもスジが違うんですが、何か謝らずにはいられない雰囲気でしたね。
私が謝った後、その女性が「え!もう終わりなんですか??」と叫んでいる声が、背中に突き刺さりました…
ただ、誤解してほしくないのは、法廷での直接やりとりは少ないかも知れないけど、法廷からは見えない下準備とか何とかで、弁護士はかなり忙しいということ。
白鳥は水面下でばしゃばしゃ水をかきますよね。あれです、あれ。
弁護士もあんな感じなのです。
裁判員裁判が導入されようとしている今、裁判官も検察官も弁護士も、傍聴席にも気を配らなくてはいけませんよね。
ではまた。