不動産強制競売の件

Blog

今年も無事に執務を終えることができました。

来年は1月6日金曜日から執務を開始します。

銀行などは1月4日からかと思いますが、裁判所の実働が三連休明けの1月10日火曜日からですので。

来年もよろしくお願いいたします。

 

今年は例年に比べ、一年中通して、不動産強制競売で債権回収することが多かったですね。

「強制競売」というのは、勝訴判決に基づく競売のことで、いわば債権回収の総仕上げです。

特に回収すべき債権額が大きいときなどは、不動産強制競売は有効な債権回収手段です。

今現在もいくつも不動産競売事件が仕掛かり中で、年明けには続々と結果が出る予定です。

 

いつも思いますが、訴訟で負けて所有不動産を競売されるまでに至ってしまった対立当事者(代理人弁護士)は、いっそこちらに頭を下げて、所有不動産を任意で売って支払うから、競売は勘弁して下さい、くらいの話を持ちかけてきても良さそうなものです。

競売で売られてしまったら、せっかくの所有不動産は市場価格以下の安価で第三者の手に渡ってしまうわけですし、そうなれば当方依頼者の債権額全額の弁済に至らない(=さらなる強制執行に怯える日々が続く)かもしれませんし、競売後に対立当事者の手元にお金が残るケースであってもその金額が極めて少額にとどまってしまう(=対立当事者自らの手取りが減る)と思います。

任意で売れば、通常の市場価格で売れる可能性が高いのですから、その方が対立当事者自身にとってもメリットが大きいはずなのです。

 

が、そういう実利的な提案を持ちかけてくる賢い対立当事者(代理人弁護士)は、残念ながらほとんどいませんね。

訴訟でやっつけられてしまっているから、プライドが邪魔をして今さら頭を下げられない、ということなのかもしれません。

 

変なプライドを持ちすぎない方が、世の中を渡っていくには有効ではないかと思いますけどね。

どうせ競売で所有不動産を失うなら、所有不動産のポテンシャルを最大限に発揮させて任意で高く売った方が、お互いウィンウィンでいいじゃないか、何もわざわざ不動産を競落した第三者(=往々にして不動産業者)を儲けさせてやらなくてもいいじゃないか、と私は思いますが。

たとえ判決後であっても、心を入れ替えて頭を下げてきてくださる対立当事者の方には、私はかなり寛大ですよ(笑)。

 

来年も依頼者様のために頑張ります。

当方依頼者の対立当事者になってしまった方には、容赦しませんので、ご覚悟ください。

それではまた来年!