役員貸付金

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長年に渡って会社を支えてきた役員が、残念ながら円満とは言えない形で会社を退職することになったときなど、新しい役員(=つまり旧役員を追い出した側)との間で、旧役員に対する会社の貸付金(=いわゆる役員貸付金)の法的処理が問題になることがあります。

往々にして金額も莫大なものとなっていますし、貸付金だけの問題ではないことも多々あります。

退職に至る手続面でも感情面でも大変複雑な問題をはらみます。

この問題への対応に当たっては、法的知識だけでなく、会計知識が不可欠です。

私は、旧役員側・新役員側いずれの立場でも代理人を務めた経験がありますが、この類型の事件対応は本当に大変です。。

 

まずは客観的な状況を把握すべく、過去数十年分の膨大な決算書類や元帳類などに目を通すところからのスタートです。

こういう時は、かつて短いながらも銀行員として勤務していた経験が大変役立っていると思います。

変な話ですが、決算書の読み解きは銀行員当時から大好きでしたので、いかに量が多くても、それ自体は全く苦にならないんですよね。

こうして、決算書類上「役員貸付金」として処理されている金員の正体をあぶり出していくわけです。

 

実は「役員貸付金」として処理されている金員は、全てがいわゆる貸付金であるとは限らないんです。

中には、使途不明金のような数字をとりあえず役員貸付金として会計処理しただけ、というようなケースもあります。

つまり、決算書上「役員貸付金」として計上されている金額があるからと言って、その金額をそのまま当該役員に対して請求できるとは限らないのです。

旧役員側としては、会社の不当請求に応じる必要はありませんし、適正な待遇を求めて然るべきです。

 

ただ、逆に、「役員貸付金」の金額が決算書上0円であったとしても、実態をつぶさに見ると、当該旧役員に対して請求できる金員等があったりもします。

当該旧役員が過去適当に決算処理してしまっていることは、十分にあり得ることです。

もしも当該旧役員の行動に問題があったとしたら、それは正されるべきであると思います。

 

この辺りの問題でお困りの方は、法人・個人を問わず、ぜひお気軽にご相談ください。

ではまた!